食べることは、生きていくために欠かせない行動のひとつです。しかし、病気や加齢などの何らかの理由により、自分で食べるという行為をできなくなってしまった方も少なくありません。
食事介助の目的は、食事を1人で食べられない方に必要な栄養を摂ってもらうことです。また、食事する楽しみを持ってもらうためにも声かけが行われます。コミュニケーションをとりながら食事することで、満足感も得られます。
ここでは、食事介助の具体的な流れを解説します。食事介助の流れは以下の通りです。
1.正しい姿勢で座らせる
2.介助者が隣に座る
3.声かけする
3.水分から与える
4.主食と副食をバランス良く与える
5.飲み込みを確認する
6.食後はリラックスできる姿勢にする
食事介助を行う前に、体調のチェックを行いましょう。いつもと違った点がある場合は、食事内容を変更しなければならないため、細かく観察してください。
正しい姿勢で座ることも、誤嚥を防ぐ重要なポイントです。食事する方と同じ目線で介助を行えるように、介助者が隣に座ります。立ったまま食事介助を行うと、利用者の顎が上がり、誤嚥を引き起こす可能性があります。
食事は水分の多いものから与え、主食と副菜をバランス良く食べてもらいましょう。誤嚥を防ぐために、食べているものを飲み込んだことを確認してから、次の食事を口に運んでください。
食事が終わったらリラックスできる姿勢にし、口腔ケアを行います。食事の逆流を防ぐために、すぐ横になることは避けましょう。
食事を楽しんでもらうたうためには、介助者の声かけが大切です。食事中に声かけがなければ、何を食べているか分からず、口を閉ざしてしまう可能性があります。
ここからは、食事介助の声掛けのコツを紹介します。
食事を始める前に、今日のメニューを知らせましょう。メニューを伝えることで、介助者と利用者のコミュニケーションがとれるだけではなく、食事に興味を持ってもらえます。
食事中は声かけを行うタイミングを見計らうことが大切です。食べ物を飲み込んでいる最中に話しかけてしまうと、誤嚥につながる可能性があるため注意しましょう。
口や喉の動きを確認し、飲み込みを確認した後に声をかけてください。次の食べ物を口に入れるまでに話し、口の中に食べ物が入ったら、再び口や喉の動きを観察しましょう。
食事を楽しむために声かけは大切ですが、過度な声かけは誤嚥を引き起こす可能性があるため注意しなければなりません。
また、過度な声かけを不快に感じる方もいるため、利用者の性格などから声かけを行う頻度を調整しましょう。声かけが多すぎると、食事に集中できないこともあります。
ここからは、食事介助の際にやってはいけない声かけを紹介します。つい言ってしまいそうな表現もあるため、注意しましょう。
年配の方の食事介助を行う際は、若者言葉や流行語は避けましょう。楽しく話そうと声かけを行っても、相手に伝わらなければ意味がありません。
また、若者言葉や流行語を不快に感じる方も多いです。年齢に関係なく、相手に伝わりやすい言葉選びを心がけましょう。
相手との仲を深めるために、タメ口を使用してしまうこともあるでしょう。親しみを込めてタメ口を使用しても、馴れ馴れしいと不快に感じる方も少なくありません。
介助者として信頼してもらうためにも、丁寧な言葉選びを心がけましょう。
自分の思い通りに食事が進まなくても、決して命令口調で声かけしてはいけません。相手を怖がらせるような口調で声かけを行うと、トラブルに発展する可能性があります。
自分の思い通りにならず焦っているときでも、落ち着いて食事介助を行いましょう。
食事介助の際に声かけを行う目的やコツについて、詳しく解説しました。
食事介助の際は、声かけを行うタイミングや口調に注意しなければなりません。食事介助の際に声かけを行う場合は、食事を楽しんでもらえるように丁寧な言葉選びを心がけましょう。