食事はよく噛んで食べることが大切です。
抜歯後や矯正中は、口の中が傷んで食事を噛めないという方も多いでしょう。
しかし、食事を噛めなくなる原因は、抜歯などの歯科治療だけではありません。
ここからは、食事を嚙めなくなる原因を解説します。
食生活の西洋化に伴い、ハンバーグやスパゲッティなどの噛まずに食べられる食事が増加しています。
ハンバーグやスパゲッティなどは乳幼児にも好かれるメニューです。
乳幼児の頃にしっかりと噛んで食べる習慣をつけることが大切ですが、食生活の変化に伴い噛まない習慣が身につき、口の発達に支障をきたしています。
歯の喪失や義歯が合わないなど老化が原因で食事を噛めない人も少なくありません。
歯の本数が少なくなると、咀嚼するための筋肉も衰えて、噛む力も低下してしまいます。
食事をしっかりと噛んで楽しむためには、歯を失わないことが大切です。
食事を噛めないと食べられるメニューが限られてしまうだけではありません。
ここからは、食事を噛めないと生活にどのようなことが起こるのか解説します。
食事を噛んで副交感神経を刺激することで、唾液が分泌されます。
嚙まなくてよい食事を続けると脳に刺激が伝わらず、唾液が分泌されません。
唾液には、食べ物の消化を助けたり、食べ物の味を感じやすくする働きがあります。
口の中の汚れを洗い流し、口の中を清潔に保つためにも唾液が必要です。
唾液の量が減ると口の中を清潔に保てず、口臭が出やすくなったり、虫歯になりやすくなる可能性があります。
よく噛まなくても食べられる食事を食べ続けると、栄養バランスが崩れてしまいます。
油分や水分を多く含む柔らかい食事は、よく噛んで食べる食事に比べると低栄養になりがちです。
とくに高齢者が低栄養状態になると、以下のような症状が現れます。
・筋肉量の低下
・運動機能の低下
・免疫力の低下
・骨が弱くなる
免疫力が下がったり骨折して寝たきり状態になると、さらに筋肉量や運動機能が低下してしまいます。
健康的に過ごすためには、食事からしっかりと栄養を摂取し、低栄養を予防することが大切です。
噛めないからといって食事をとらなければ、栄養が不足してしまいます。
ここからは、噛めないときにおすすめの食事を紹介します。
噛めないときや食欲がない時の定番の食事といえば、おかゆです。
5分がゆや7分がゆなど水分量を変えることで、柔らかさも調整できます。
柔らかく煮たうどんであれば、食事をうまく噛めないときでも食べられます。
国民食のうどんは、どこでも食べられるため外食時の食事に困った時にもおすすめです。
口の中で溶けるようなフワフワのパンであれば、噛めないときでも食べられます。
パンが固いときは、スープなどに浸して柔らかくしてから食べましょう。
フランスパンやハード系の食パンなど、固さのあるパンを選んではいけません。
固いパンしかない場合は、小さくするなど工夫が必要です。
ふわふわのオムレツや卵焼きなどの卵料理もおすすめです。
おかゆなどの食材にプラスすることで、栄養のあるメニューが完成します。
魚や野菜なども柔らかく煮ることで、嚙めないときでも食べられます。
自分の噛む力に合わせて煮込み時間を調整しましょう。
しっかりと煮込めば、噛む力は必要ありません。
肉類が食べたくても食べられない方には、ひき肉料理がおすすめです。
ハンバーグなどの柔らかいひき肉料理であれば、噛まなくても食べられます。
ハンバーグは水分量を調整したり、豆腐を加えることで柔らかく仕上がります。
ハンバーグの他にも、鶏団子やミートボールなども食べやすいでしょう。
噛めないときにおすすめの食事や噛めなくなる原因について、詳しく解説しました。
食事を嚙めなくなる原因はさまざまで、食生活の変化や老化などが挙げられます。
食事を噛めなくなると、栄養バランスが崩れるだけではなく、口の中を清潔に保てず虫歯や口臭の発生に繋がります。
うまく噛めないときは、おかゆやうどんなどの柔らかい食事がおすすめです。
自分の噛む力に合わせて、最適な食事を選んでください。
食事からしっかり栄養を摂取して、健康的な生活を送りましょう。