牛乳が体に良いことは知られていますが、実はストレスの緩和にも効果が期待できることをご存じでしょうか。ストレスは、私たちの生活の中でどうしても生まれてしまうものですが、どう解消するかは、健康的な生活を送るためのポイントになります。
今回は牛乳について、高齢者におすすめの理由や、成分や栄養素についてお話ししましょう。
牛乳は「体に良い」「身長が伸びるから子供は積極的に飲んだ方がいい」などと言われていますよね。成長期に積極的に摂りたい牛乳ですが、実は高齢者にも積極的に摂ってほしいと言われているのです。
牛乳の主な成分は、カルシウムやたんぱく質、脂質。カルシウムは、イライラを沈めてくれると言われていますが、これはカルシウムが交感神経の働きを抑えていてくれるからなのです。また、牛乳のたんぱく質には、必須アミノ酸の1つでもあるトリプトファンが含まれていて、神経伝達物質のセロトニンの原料となり、鎮痛・鎮静作用に働いてくれます。
もちろん、トリプトファンは牛乳以外のたんぱく質にも含まれていますが、牛乳は消化吸収に優れているので、このトリプトファンが体内に取り入れやすい食品として重要なのです。「眠る前に牛乳を飲むと気持ちがリラックスしてよく眠れる」というのは、こうした鎮静作用が働いているからだと言われています。
私たちが毎日生活をしている中で、ストレスは必ずと言っていいほど生じます。ストレスとは、外部からの刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと。日常生活の中で起こる変化が、ストレスの原因となっていると考えられます。
具体的な例としては、不安や悩みといった心理的なもの、天候や騒音といった環境的なもの、睡眠不足や病気などの身体的なもの、仕事・人間関係などの社会的なものがあります。ストレスと聞くと、悪いことが原因で発生すると思われがちですが、実は喜ばしい出来事も、外部からの刺激によるものですから、ストレスになるのです。
そこで疑問なのが、ストレスは悪いものなのか?ということでしょう。確かに、ストレスが原因で体に支障が出ることは数多くあります。ためてしまうことで精神的に追い詰められてしまうという人もいれば、食欲がなくなり体調を崩すというパターンもありますよね。だからといって、全くストレスがない状態が健全なのかと言うと、そうでもないのです。
私たちの体は何らかの刺激を受けることで、体調が良くなることもありますし、気持ちが上向きになることもあります。
ストレス=悪者ではなく、ストレスとうまく付き合い、解消することで健康を保つことができるわけですね。
先ほどもお話ししたように、牛乳には、鎮静・沈痛作用があるトリプトファンが含まれています。カルシウムはイライラの原因となっている交感神経の動きを抑えてくれる働きも期待できるので、牛乳を飲むことで気持ちを落ち着かせられる可能性があります。気持ちが落ち着くことで、ある程度のストレスは緩和されますし、その後の生活への支障も少なくすることができるでしょう。
もちろんこれは牛乳だけに限ったことではありません。ストレスの緩和や体調管理には、バランスの取れた食事が大切ですし、そこにうまく牛乳を取り入れることで、効果が期待できるでしょう。
「高齢になると、ストレスを感じにくくなるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。どちらかと言うと、高齢者はストレスを感じにくいのではなく、気付きにくくなるために、体や精神的な不調が顕著に表れてしまうパターンが多いのです。
さらに、高齢になると、便秘などの体調不良がそのままストレスとなる可能性も高いです。そのストレスが、さらなる睡眠不足や体調不良の原因になるという、悪循環が起こってしまうこともあります。牛乳で少しでもストレスを緩和できれば、良いですよね。
牛乳には乳糖が含まれており、この乳糖が乳酸菌の働きを促してくれることから便秘予防としても一役買ってくれる可能性もあります。便秘解消や安眠を助けてくれる牛乳は、高齢者にもおすすめしたい飲み物なのです。
牛乳によってストレス緩和の効果が期待できる点について、ご理解いただけたでしょうか。普段から牛乳を飲まれている方も、ぜひ意識して飲むようにしていただきたいですね。
しかし中には牛乳が苦手な方もいらっしゃると思います。その場合は料理に使用したり、飲みやすくする工夫をしたりすることで、摂るようにしましょう。
高齢者の健康にはバランスの良い食事が欠かせません。当社では高齢者の給食委託サービス・調理済み食材の提供を実施していますので、高齢者施設などでバランスの良い食事提供を検討されている場合は、ぜひお問い合わせください。