健康診断や人間ドックで「アミラーゼが高い」と診断された場合、疑われるのが膵臓(すいぞう)の機能の低下や慢性膵炎と言われています。
アミラーゼが高い症状を抑えるためには、医師の診察や治療が大切ですが、普段の食事も見直さなくてはいけません。
そこで今回は、アミラーゼが高い時におすすめの食事療法や食事内容について紹介します。
膵臓は消化酵素を含む膵液の分泌を行い、食べ物を消化する働きを持つ臓器です。
また、インスリンなどのホルモンの分泌を行い、体内の糖分をコントロールする働きもあります。
膵臓から分泌される膵液ですが、膵臓自体を溶かして炎症を引き起こすこともあります。
この炎症が長期間にわたって持続すると、慢性膵炎となるのです。
慢性膵炎になると、膵臓の正常な細胞がだんだんと破壊され、膵臓が硬くなったり、石ができたりします。
また「食べ物を消化する」「体内の糖分をコントロールする」といった働きも、徐々に衰えてしまいます。
慢性膵炎は「長期間、大量のお酒を飲む」ことで、発症しやすいとされています。
ストレスや胆石が原因で発症することもあり、明確な原因が分からない場合もあります。
その他、遺伝的に発症しやすい人もいます。
アミラーゼは、外分泌機能である消化酵素のひとつです。
アミラーゼが高いといっても体の不調は個人差があり、人によっては痛みを感じたりまったく感じなかったりするでしょう。
ただし、アミラーゼが高いと診断された時は、今のような生活を続けると膵炎の症状が進行する可能性があるので注意が必要です。
症状は個人差がありますが、次のような不快感が出ると言われています。
また、慢性膵炎については、症状や状態によって、4つの病期で分類されています。
病期 | 症状・状態 |
潜在気 | 腹痛や嘔吐など症状がない |
代償期 | 膵臓機能が保たれる状態 |
移行期 | 少しずつ膵臓機能が損なわれている |
非代償期 | 膵臓機能が保たれていない状態 |
膵炎によってアミラーゼが高くなっている場合、消化機能や糖分のコントロール機能が弱くなっている可能性があります。
そのため、積極的に食事療法を行うべきでしょう。
ただし膵炎の原因は、アルコール飲料の飲みすぎの他、内臓機能の低下や遺伝(体質)、ストレスなどが考えられます。
原因は自己判断が難しいので、必ず医師の判断を仰ぎ、食事療法の必要性についても相談をしましょう。
病期に限らず、アミラーゼが高いと分かった時点で、毎日の食生活に気を付けることが大切です。
アミラーゼが高い原因の多くはアルコールです。
お酒を飲む時、おつまみを食べるので暴飲暴食を引き起こしやすく、気づかないうちに膵臓にダメージを与えているケースが多いです。
慢性膵炎の症状を改善するためにも、食事の注意点をいくつかチェックしておきましょう。
食事の摂り方の基本として、消化液の分泌量を一定に保つことが大切です。
できれば毎日同じ時間帯に、毎食同じ量を朝昼晩3回食べるようにしましょう。
食事の量や間隔がバラバラだと、消化酵素の分泌量が不安定になり、膵臓に負担をかけてしまいます。
腹痛や背中の痛みを強く感じる時は、脂っこいメニューを控えましょう。
完全に油分を取り除いた食事は、栄養不足の可能性が高いので注意が必要です。
慢性膵炎の食事療法では、食材を「煮る、蒸す、茹でる」を中心に調理しますが、病状が落ち着いている時は、油を完全にカットした食事メニューにしなくても大丈夫です。
確実に慢性膵炎を予防できるとは限りませんが、アルコール飲料はできるだけ控えるようにしましょう。
同じくタバコも膵臓が弱っている時はダメージを与えやすいので、控える必要があります。
慢性膵炎は生活習慣の見直しと改善を意識した生活を送らないと、病状が進行する可能性が高いです。
糖尿病も併発すると、さらに厳しい食事制限があるので我慢が必要です。
膵臓から分泌されるアミラーゼやリパーゼなどの膵液は、健康体に必要な3大栄養素を分解するのに必要な消化酵素が含まれています。
そのため、慢性膵炎を発症した時は、膵液分泌を刺激する脂質や香辛料、カフェイン、炭酸飲料などの食事は控えましょう。
脂質や刺激物だけではなく、塩分の多い食事も膵臓にとって大きなダメージです。
寿司やラーメンのスープ、チーズなどは、塩分が多い食べ物なので注意が必要です。
医師にアミラーゼが高いと診断された時は、食事療法により膵臓に負担をかけない生活の心がけも大切です。
治療や投薬はもちろん、食生活についても、どのようにするべきか医師にしっかりと話しを聞いておきましょう。
アミラーゼが高い場合は、慢性膵炎になっていることもあります。
その場合は、なおさら栄養バランスを考えた食事メニューの考案が必要です。
しかし、毎日毎食、体に良い食事を考えるのは大変でしょう。
とくに高齢者施設では、利用者の健康のために、しっかりとメニューを考えなくてはいけません。
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