高齢者の食事は「咀嚼力」や「嚥下力」が弱くなって介護食を食べたり、一人では食べられず介助が必要になったりすることがあります。また食べる量も減ってくるので、栄養を効率よくとれるような配慮も必要です。
しかし、食事は生きるために必要なだけではありません。毎日の食事が楽しみになり、生きる糧になるためにも大切なものです。食事の前後も含め、高齢者の食事ではどういった配慮が必要なのか確認してみましょう。
高齢者の中には咀嚼力だけが弱い方や咀嚼力・嚥下力ともに弱い方など、さまざまな状態の方がいるため個別に食事の配慮を行います。
注意するポイントは主に5つです。
ここからはもう少し詳しくご紹介していきます。
自分で食べられる方でも介助者が食べさせる場合でも、高齢者の食事で注意しなければならないのは「誤嚥」です。
誤嚥を防ぐためには、本人に合った姿勢で食事をとることが重要です。
椅子に座って食事をする場合は、姿勢を正して深く腰掛け足裏を床に着けます。
頭が後ろに反っていると誤嚥の原因となるため、やや前傾姿勢になります。
腕を90度曲げてちょうどいいぐらいの高さのテーブルを使いましょう。
ベッドで食事をする方は、その方の状態に合わせてベッドの角度を変えます。
起こしすぎると苦しいようであれば、本人が楽になる角度まで下げましょう。
腰をリクライニングの折れ目に合わせて座ります。
膝を軽く曲げ、下にクッションやタオルを挟むと姿勢が楽です。
食事介助についてはコラム「高齢者の食事介助|安全な姿勢と3つの注意点を完全解説!」で詳しくご紹介しています。
食事前には本人がしっかり目を覚まして居ることを確認して、必要であればエプロンをつけます。
さらに誤嚥を防ぎ、食事を楽しむために、食事前に行うべきことがいくつかあります。
食事中にトイレに行くと食事も冷めてしまいますし、集中力も途切れてしまいます。
スッキリと集中して食事ができるよう、先にトイレを済ませましょう。
こちらもトイレ同様に、集中力がなくなるのを防ぐためです。
またテレビに集中しすぎて誤嚥してしまうといったリスクを排除します。
手を洗うのは高齢者だけでなく誰でも、ばい菌を食事に持ち込まないために必要です。
またうがいや歯磨きをしてスッキリした状態で食事をすると、味を感じやすくなります。
高齢者も少しずつでも栄養バランスのいい食事をとる必要があります。
硬い肉類や繊維質の生野菜などが食べにくくなるため、タンパク質やビタミン・食物繊維などが不足しがちです。
低栄養になると、筋力が弱まるだけでなく免疫力も低下しさまざまな病気にかかるリスクが高まります。体重が減ることも心配です。
量を食べられないなら、少量ずつでもいいので色々なものを食べるようにしましょう。
また高齢者は「咀嚼力」や「嚥下力」が弱くなっていることもあり、食事の硬さにも注意が必要です。
小さく刻んだものなら食べられる人もいれば、柔らかくした方がいい人やペースト状にしなければ飲み込めない人もいます。
それぞれの状態に合わせた食事形態を選択しなければなりません。
食事形態の種類については、「食事形態の種類は6種類|適切な種類で食事を楽しむ[y2] 」で詳しくご紹介しています。
高齢になると唾液の分泌量が少なくなります。そのため乾燥したものは食べにくく敬遠しがちです。
一口目は誤嚥のリスクが高くなります。そのため食事の際は最初に口の中を潤してあげましょう。
水分を取ることで次の食事が飲み込みやすくなります。
その後は主食・主菜・副菜・水分を交互に食べていきます。
一度に口に入れる量にも注意しましょう。
どのような食事にしても、楽しく食べてもらうことが一番です。
無理に食べさせると、食べること自体がストレスになり、食べなくなってしまう可能性もあります。無理強いはせずに切り上げましょう。
食欲を増すために、食事や盛り付けを工夫してみるのも一つの方法です。
一人で食べられる人なら孤食させずに誰かと一緒に食べる、介助しながら食べるのであればメニューの説明など声掛けをしながら食事をするのもいいでしょう。
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当然介護食の種類もいくつかのバリエーションの中から選べるため、一人ひとりに合った食事の提供が可能です。
高齢者の食事は通常の食事と違い、配慮することが多くあります。
しかし安全に楽しんで食べてもらうためにも、周りの人たちは工夫しながら高齢者一人ひとりに向き合っていきたいですね。
高齢者施設や老人ホームで、介護食に関してお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に「ミールイノベーション」までご相談ください。